フッ素樹脂加工は体に悪い?コーティングのないフライパンのすすめ

フッ素樹脂加工は体に悪い?コーティングのないフライパンのすすめ

軽くて便利なフッ素樹脂加工のフライパンは、手に入りやすく普段から使用しているご家庭も多いのではないでしょうか。一方で「フッ素樹脂加工は体に悪い」という情報を見聞きすると不安になりますよね。


この記事では、フッ素樹脂加工が体に悪いとされる理由を解説するとともに、扱いにくいとされるコーティングのないフライパンの魅力を紹介します。


フッ素樹脂加工以外のフライパンに挑戦してみたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

フッ素樹脂加工のフライパンは正しく使えば安全

フッ素樹脂加工のフライパンは正しく使えば安全

 

フッ素樹脂加工のフライパンは、正しく使えば便利で安全な調理器具です。原料であるフッ素樹脂自体に毒性はなく、体内に取り入れたとしても排出されて体に蓄積する心配はありません。


フッ素樹脂加工が「体に悪い」といわれる背景には、以下の2つの理由があります。


  • 高温になると有毒なガスが発生する恐れがある
  • 過去に加工助剤として使われていた物質に発がん性がある

フライパンにコーティングされたフッ素樹脂は、約350℃の高温になると熱分解を起こし、体に有害なガスが発生します。一般的な調理では考えにくいものの、空焚きを約5分間続けると350℃まで上がる可能性も。調理中も食材が乗っていない部分は空焚き状態になるため、食材を動かしながら料理をし、適した大きさのフライパンを使いましょう。


過去のフッ素樹脂加工のフライパンには、製造過程でPFOAやPFOSとよばれる化学物質が加工助剤として使用されていました。PFOAやPFOSは有害性が確認され、PFOAには発がん性の指摘もあることから、2015年以降国際的に使用規制の対象となった物質です。分解されにくい性質から環境汚染の原因にもなるとして、現在日本でもPFOAとPFOSの製造・輸入は原則禁止されています。


フッ素樹脂加工のフライパンへの過度な心配は必要はありませんが、使用するうえでは危険性についても知っておきましょう。

 

フッ素樹脂加工のコーティングの違い

フッ素樹脂加工の違い

 

フッ素樹脂加工のコーティングには数種類あり、主に以下の3つがあります。


  • ダイヤモンドコート
  • マーブルコート
  • チタンコート

コーティング技術も日々進化し、フッ素樹脂に鉱物の粉や金属を混ぜることでより精度の高い製品がつくられています。


また、関連する言葉で「テフロン加工」がありますが、テフロンはケマーズ社(旧デュポン社)の商標でありフッ素樹脂加工と同じ意味です。

 

ダイヤモンドコート

フッ素樹脂加工のコーティングの一つにダイヤモンドコートがあります。フッ素樹脂に人工ダイヤモンドの粒子を混ぜてつくられたもので、硬さや耐久性をより高めたコーティングです。


ダイヤモンドコートは硬さゆえに摩耗に強いのが特徴的。フッ素樹脂加工のフライパンの弱点だったコーティングの剥がれやすさを克服し、長期間の使用が期待できます。

 

マーブルコート

マーブルコートもフッ素樹脂加工の一つです。非常に硬度が高い物質であるマーブル(大理石)の粉をフッ素樹脂に混ぜて、フライパンの耐久性を高めています。


粒子が硬いため、金属製の調理器具を使用しても傷つきにくいことがマーブルコートのメリット。見た目に高級感が感じられる点も魅力の一つです。

 

チタンコート

フッ素樹脂加工のコーティングでは、チタンコートも注目が高まっています。鉄の約2倍の強度があるチタンを混ぜており、フッ素樹脂加工のなかでも高レベルの耐久性を持つ表面加工です。


チタンは酸や塩分に強い性質があるため錆びにくいこともメリットのひとつ。一方で、チタンコーテイングのフライパンはほかのコーティングよりも値段が高い傾向があります。

 

フッ素樹脂加工のないフライパンは使いにくい?

 

表面にフッ素樹脂加工のないフライパンも、決して使いにくいものではありません。食材がくっついたり焦げついたりして扱いが難しいイメージを持つ方も多いかもしれませんが、工夫次第で使いにくさは克服できます。


表面に油の膜をつくる・予熱をしっかり行うなどのひと手間で、コーティングがなくても十分使いこなせますよ。


無加工のフライパンは、表面が素材そのものだからこそ劣化の心配がなく、正しく使えば長期間活躍できるものが大半です。使用される金属の性質を活かして美味しく調理できるため、ご家庭でもワンランク上の料理を楽しめるでしょう。


おすすめしたい表面無加工のフライパン3種

 

おすすめしたい表面無加工のフライパンを、素材別に3つ紹介します。


  • 鉄フライパン
  • アルミフライパン
  • ステンレスフライパン

それぞれの金属の特徴によって扱い方や得意な料理が異なります。気になるものがあれば、ぜひご家庭に取り入れてみてくださいね。

 

鉄フライパン

鉄フライパンは無加工の代表的な素材の一つです。重さがあるぶん丈夫で耐久性が高いため、丁寧に使えば何十年と長く愛用できます。鉄フライパンで調理をすることで、手軽に鉄分が補給できるのも嬉しいポイント。調理前にしっかりと予熱を行えば、焦げつき防止となり快適に調理できますよ。


鉄は錆びやすい性質があるため、鉄フライパンは使用前に表面に油膜をつくる「シーズニング」を行いましょう。使用後にも調理面全体に油を塗ることが長持ちさせる一工夫です。


鉄フライパンは熱伝導率が高く、保温効果もあるため炒めたり焼いたりする調理に向いています。たとえばハンバーグやステーキでは、表面に焼きを入れつつ中の肉汁を逃さずジューシーに仕上げることが可能です。

 

アルミフライパン

表面無加工の一つに、アルミフライパンがあります。アルミはなんといっても軽いことが特徴的で、調理の際に手で振りやすいことがメリット。熱伝導率も優れており食材をムラなく短時間で加熱できます。


長持ちさせる一工夫として、アルミフライパンを初めて使用するときは、腐食を防ぐために水と野菜くずを入れて約10分沸騰させてください。また、食材がくっつきやすい性質があるため、調理前には表面に油膜をつくる「油ならし」を行いましょう。


アルミフライパンはパスタ料理やオムレツづくりに適しており、イタリアンの厨房で重宝されていますよ。

 

ステンレスフライパン

ステンレスフライパンも、表面無加工のものとして人気があります。保温性が高く錆びにくいことがステンレスの特徴です。傷つきにくく耐久性にも優れているため、ステンレスのフライパンは一生ものとして愛用できます。


ステンレスフライパンを使いこなす一工夫として、毎回の調理前に「油慣らし」を行いましょう。表面に油膜をつくっておくと、食材のくっつきや焦げつきを防ぐことができ、調理後の汚れも簡単に落とせます。


ステンレスフライパンが向いているのは炒める・焼く調理です。野菜炒めはシャキッと、ステーキやハンバーグはゆっくりと火を通せるため柔らかくジューシーに仕上がりますよ。保温効果が高いため、魚の煮つけやシチューなどの煮込み料理もおすすめです。

 

まとめ

フッ素樹脂加工のフライパンは、正しい使い方をすれば体への悪影響はありません。ただし、フッ素樹脂は350℃を越えると有毒ガスが発生する恐れがあるため、空焚きには十分注意してください。


扱いにくいと思われがちな無加工のフライパンには、素材ならではの強みがあり工夫次第で使いにくさも克服できます。


ステンレスフライパンは、無加工のもののなかでも手入れのしやすさが魅力です。鉄やアルミフライパンのように使い初めの作業は必要なく、購入してすぐ調理に使えます。傷つきにくい素材のためスポンジやたわしでゴシゴシ洗えて、後片付けも簡単ですよ。


クーベルのステンレスフライパンは、皆さまに満足していただけるようデザインや実用性にとことんこだわってつくられた商品です。ぜひ一生もののフライパンとしてご検討くださいね。

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