「フッ素加工やテフロン加工のフライパンは身体によくないと聞くけど、家にある製品は大丈夫かな?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
フッ素加工のフライパンは数多く販売されておりメリットもある一方、使い方には注意も必要です。
この記事では、フッ素加工の特徴や注意点をはじめ、フッ素加工フライパンの見分け方やおすすめフライパンの特徴について紹介します。
現在使用しているフライパンのフッ素加工の有無を確認したい方はもちろん、フライパンの買い替えを検討している方も、ぜひ参考にしてください。
フライパンのフッ素加工には食材のくっつき防止効果がある
フライパンのフッ素加工とは、フライパンの調理面をフッ素樹脂で覆う処理のことです。フッ素樹脂で表面をコーティングすることによって、フライパンに食材がくっつきにくくなります。
フライパンに施される加工として広く知られている「テフロン加工」も、デュポン社(現ケマーズ社)のフッ素樹脂加工を指す商標です。そのためテフロン加工も、フッ素加工の一種といえます。
また
- ダイヤモンドコート
- マーブルコート
- チタンコート
の多くも、フッ素加工に含まれます。
フッ素加工のフライパンは比較的リーズナブルということもあり、さまざまな製品が市場に出回っています。フライパン売り場などで、これらのコーティング名を目にしたことがある方も少なくないことでしょう。
フッ素加工のフライパンは有害ガスへの注意が必要
フッ素加工のフライパンには食材がくっつきにくいなどのメリットがある一方で、デメリットも存在します。なかでも特に気をつけたいのが、フッ素樹脂による有害ガスです。
フッ素樹脂には、熱に弱いという特徴があります。フッ素加工のフライパンを空焚きして高温になると、フッ素樹脂が分解されます。コーティングが剥がれてしまうだけでなく、発がん物質を含む有害ガスが発生する恐れもあるため注意が必要です。
「空焚きをしなければ問題ないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、フライパンで食材を炒める際にも空焚き状態が発生するリスクはあります。たとえば餃子やウインナーなどを調理する場合、フライパンに食材が触れていない部分は、どうしても高温になってしまいます。
フッ素加工のフライパンは手軽に使用できる反面、使い方によっては危険が生じる恐れもあるということは、しっかりと把握しておくべきでしょう。
フライパンのフッ素加工の有無を確認したい!3つの見分け方を紹介
フッ素加工の安全性への不安から「今、家で使っているフライパンにフッ素加工が施されているのか確認したい」と思う方は多いのではないでしょうか。
とはいえ、使用中のフライパンにどんな加工が施されているのか、または無加工なのかよくわからない、というケースもあるでしょう。
ここでは、フッ素加工の有無を確認するための見分け方を3つ紹介します。
1.メーカーサイトで使用素材を確認する
フライパンの具体的な品名がわかっている場合は、メーカーのサイトで使用素材を確認する方法が最も確実です。とはいえ「フッ素」や「テフロン」といった、わかりやすい記載がないケースもあります。
- PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
- PFOA(ペルフルオロオクタン酸)
- PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)
などの記載があれば、フッ素樹脂(テフロン)または有機フッ素化合物が使われていることを示しています。これらの用語が記載されていないかどうか、確認してみてください。
2.フライパンの材質で見分ける
フライパンの調理面に使われている金属の種類から、フッ素加工の有無を見分ける方法もあります。
フッ素加工フライパンのほとんどは、アルミニウム素材の製品です。もちろん、アルミニウム素材のフライパンすべてにフッ素加工が施されているわけではありません。無加工やセラミック加工など、フッ素樹脂を使用しないアルミニウムのフライパンも販売されています。セラミック加工の場合は調理面が白色の製品が多いため、比較的見分けはつきやすいでしょう。
アルミニウム素材のフライパンには、
- 軽い
- 価格が安い
- 手入れが簡単
- 耐久性に劣る
といった特徴があります。
無加工かどうかの判別は難しいところではありますが「軽くて黒っぽい色のアルミニウムフライパンで、特別な手入れをしなくても食べ物がくっつきにくい」という場合、フッ素加工が施されている可能性は高いといえます。
一方、鉄製のフライパンには通常、フッ素加工はありません。お使いのフライパンが鉄製であれば、フッ素加工が施されている可能性は低いでしょう。
また一部の例外はあるものの、ステンレス製のフライパンも、フッ素加工がない製品が一般的です。
3.フライパンの表面の様子で見分ける
見極めの難易度は上がるものの、フライパンの表面の様子を確認する見分け方もあります。
食材がフライパンにくっつくことを防ぐため、フッ素加工を施したフライパンの表面には細かい凹凸があることが特徴です。調理面がツルツルしておらず、コーティングの剥がれや傷つきが気になる場合も、フッ素加工が施されている可能性があります。
フッ素加工なしのフライパンならステンレスがおすすめ
使用の際の安全性を考慮するのであれば、フッ素加工の製品は避け、無加工またはセラミック加工のフライパンを選ぶことをおすすめします。
セラミック加工のフライパンは耐熱性に優れ、高い硬度を誇るというメリットがあります。その反面、使用を続けるうちにフッ素加工と同じく表面の塗装が劣化してしまうため、1〜3年程度での買い替えが必要となります。安全性だけでなく耐久性も考慮するのであれば、無加工のフライパンの使用がおすすめです。
無加工のフライパンの代表的な素材は、鉄またはステンレスです。両者には、次のような特徴の違いがあります。
材質 |
耐久性 |
熱伝導 |
保温性 |
お手入れ |
重さ |
価格 |
鉄 |
◎ |
〇 |
〇 |
△ |
△ |
〇 |
ステンレス |
◎ |
△ |
◎ |
◎ |
△ |
〇 |
鉄とステンレスのどちらも、耐久性に優れていることが強みです。フッ素加工のフライパンのように、コーティングが剥がれるたびに買い替えるのではなく「一生もののフライパン」として長く愛用できるでしょう。
お手入れのしやすさでいえば、ステンレスフライパンに軍配があがります。鉄は錆びやすいため、日々のお手入れが欠かせません。鉄フライパンの表面を油でコーティングする「シーズニング」を面倒に感じる方もいるでしょう。その点、シーズニング作業が不要なステンレスフライパンは、お手入れが簡単です。
ステンレスフライパンは、ソースの状態がわかりやすい「見た目の美しさ」も魅力です。保温性が高く余熱調理が得意なので、光熱費の節約につながるというメリットもあります。
「フッ素加工のフライパンを買い替えたい」という場合は、ぜひステンレスフライパンの購入を検討してみてください。
まとめ
フライパンのフッ素加工には食材のすべりをよくするメリットがある一方、安全性に注意して使用する必要があります。
フッ素加工の安全性に不安を感じ、フライパンの買い替えを検討している場合は、安全性・耐久性・お手入れのしやすさを兼ね備えたステンレスフライパンがおすすめです。
クーベルが取り扱っているのは、調理面が無加工のステンレスフライパンです。健康に配慮しつつ美味しく調理でき、お手入れも簡単な一生もののフライパンをお探しの場合は、ぜひご検討ください。