「包丁の手入れって、洗って拭くだけでいいの?」「錆びや刃こぼれが出たらどうすればいい?」と迷っていませんか。燕三条で調理道具を作っているクーベル編集部が、その疑問にお答えします。
包丁の手入れでいちばん大切なのは、使ったらすぐ洗って水気を拭き取ることです。あとは硬いものを切らず、切れ味が落ちたら研ぐだけで、家庭の包丁は長く使えます。
この記事では、毎日の洗い方と保管のしかた、錆びや刃こぼれの直し方を紹介します。寿命と買い替えどき、捨て方もまとめました。
包丁を傷めるのは「水気」と「硬いもの」

包丁を傷める原因は、大きく2つに分けられます。ひとつは錆びのもとになる水気、もうひとつは刃先を傷める硬いものです。
錆びは、刃に残った水分や、食材の塩分・酸が空気にふれて起こります。ステンレスの包丁は錆びにくい素材ですが、まったく錆びないわけではありません。濡れたまま置いたり、塩気の強い食材を切ったまま放っておいたりすると、小さな錆びが出ることがあります。
刃先は、硬いものに当たるたびに少しずつ傷みます。骨や冷凍食品を切ったり、硬いまな板の上で切り続けたりすると、刃こぼれや切れ味の低下につながります。
反対にいえば、この2つに気をつけるだけで、包丁はぐっと長持ちします。ここからは、毎日の手入れから順に見ていきましょう。
毎日の洗い方と拭き方

包丁は、使い終わったらできるだけ早く洗うのが基本です。料理を食べる前に、包丁とまな板だけでも洗っておくと安心です。
- すぐに洗う:酸や塩分の強い食材を切ったあとは、特に早めに洗い流します。
- 峰側から洗う:スポンジを峰の側から当て、中性洗剤で汚れを落とします。刃の側からスポンジではさむと、けがをしやすくなります。
- 水気を拭き取る:乾いた布巾で、刃と柄の水気をしっかり拭き取ります。刃と柄の継ぎ目にも水が残りやすいので、丁寧に拭きます。
- 乾かしてからしまう:拭いたあと少し置いて、水気がしっかり飛んでからしまいます。
洗ったあとに熱湯をかけると、殺菌になるうえ、水気も早く飛びます。肉や魚を切ったあとに、ひと手間かけるとよいでしょう。
塩素系の漂白剤に包丁を浸けるのは避けてください。錆びや変色の原因になります。まな板を漂白するときも、包丁は一緒に浸けないようにしましょう。
食洗機は使っていい?

包丁は、できるだけ手洗いをおすすめします。食洗機に入れると、次の3つのことが起こりやすくなるからです。
- 錆び:食洗機の洗剤は洗浄力が強く、ステンレスの包丁でも錆びが出ることがあります。
- 柄の傷み:高温のお湯で洗って乾かすので、温度の変化に弱い木の柄が傷みます。
- 刃こぼれ:一緒に洗う食器やかごに刃先がぶつかり、刃が欠けることがあります。
食洗機に対応した包丁でも、長く使いたいなら手洗いが安心です。木の柄の包丁は、食洗機には入れないようにしましょう。
刃を傷めない使い方

切れ味を長持ちさせるには、洗い方と同じくらい、ふだんの使い方も大切です。次の4つを意識してみてください。
- 硬いものを切らない:冷凍食品や骨、硬くなったもちは、刃こぼれの原因になります。
- 左右によじらない:硬い食材を切るときに包丁をこじると、刃が欠けたり曲がったりします。
- 火であぶらない:刃を火に近づけると、熱で鋼の性質が変わり、切れ味が落ちることがあります。
- まな板を選ぶ:木のまな板や、ゴム系の樹脂のまな板は刃当たりがやわらかく、包丁が長持ちします。
意外と見落としやすいのが、まな板です。包丁は食材を切るたびに、まな板にも当たっています。ガラスや陶器のような硬い板の上で切り続けると、刃先がすり減って早く切れなくなります。
かぼちゃのような硬い食材を切るときは、刃を真上から少しずつ入れていきます。途中で包丁をねじらず、峰に手を添えてまっすぐ押し下げるのがコツです。
包丁の保管のしかた

洗って乾かした包丁は、湿気が少なく、風通しのよい場所にしまいます。包丁どうしが触れ合うと、刃に傷がついたり切れ味が落ちたりします。包丁立てやケースで、1本ずつ分けておきましょう。
しばらく使わない包丁は、よく乾かしてから新聞紙で包んでおきます。新聞紙は適度に湿気を逃がし、インクの油分が錆び止めにもなります。
長く使わない包丁には、椿油などの刃物用の油を薄く塗っておくのも効果的です。サラダ油は酸化しやすいので、長く保管するときには向きません。
錆びてしまったときの落とし方

小さな錆びなら、家庭でも落とせます。錆びに気づいたら、広がる前に早めに手入れしましょう。
- 軽い錆び:クレンザーや錆び消しゴムに水をつけて、こすって落とします。
- 磨く向き:刃には研いだときの筋があるので、その筋に沿って磨くときれいに落ちます。
- 落ちない錆び:刃先の錆びや深い錆びは、砥石で研いで落とします。
錆びを落としたら、洗って水気をしっかり拭き取っておきます。ステンレスの包丁にできる小さな穴のような錆び(孔食)は、進むと元どおりには直せません。毎日の拭き取りで、錆びを作らないことがいちばんの対策です。
刃こぼれしたときの直し方

刃先が小さく欠けた程度なら、砥石で直せます。荒砥石で欠けた部分がなくなるまで刃先を削り、中砥石で刃を付け直します。
ただ、欠けを削り取るには時間がかかり、刃の形を崩さずに研ぐにはコツがいります。大きく欠けた包丁や直し方が分からない包丁は、メーカーや刃物の専門店に研ぎ直しを頼むのが確実です。
ふだんの研ぎ方は、包丁の研ぎ方で手順を紹介しています。刃こぼれを防ぐには、硬いものを切らないこと、まな板を選ぶことがいちばんの近道です。
包丁の寿命と買い替えどき

包丁の寿命は、使う回数や手入れのしかたで大きく変わります。何年と決まったものではありませんが、家庭用の包丁なら、手入れしながら10年以上使える場合もあります。
寿命を左右するのは、主に3つです。研ぐたびに刃は少しずつ減るので、必要以上に研ぎすぎないこと。錆びにくい素材を選ぶこと。そして、柄を傷めないことです。刃が元気でも、柄が壊れると使えなくなります。
次のようなサインが出たら、買い替えや修理を考えるタイミングです。
- 切れ味が戻らない:研いでも切れ味が戻らなくなったら、刃が減って厚くなっていることがあります。
- 大きな欠け・折れ:刃が大きく欠けたり、先が折れたりした場合です。
- 柄の傷み:柄がぐらつく、ひびが入っている場合は、けがにつながるのですぐに使うのをやめましょう。
柄のぐらつきや大きな欠けは、修理できることもあります。捨てる前に、メーカーや刃物店に相談してみるのもよいでしょう。素材や作りの違いは、包丁の素材の違いでくわしく紹介しています。
包丁の捨て方

包丁を捨てるときは、住んでいる自治体のルールに従います。不燃ごみや金属ごみとして出す自治体が多く、刃をそのまま出すことはできません。
刃の部分を新聞紙や厚手の紙で包んでテープで留め、「危険」「刃物」などと書いて出すのが一般的です。袋を突き破ってごみが散らばったり、収集する人がけがをしたりするのを防ぐためです。
出し方は自治体によって違うので、ごみの分け方の案内やホームページで確かめておきましょう。
包丁の手入れに関するよくある質問
Q. 包丁は毎回、熱湯をかけたほうがいいですか?
A. 毎回でなくても構いません。肉や魚を切ったあとにかけると、殺菌になり、水気も早く飛びます。かけたあとは、水気をしっかり拭き取っておきましょう。
Q. 包丁を漂白剤で除菌してもいいですか?
A. 塩素系の漂白剤に浸けるのは避けてください。錆びや変色の原因になります。除菌したいときは、洗ったあとに熱湯をかける方法がおすすめです。
Q. どのまな板が包丁にやさしいですか?
A. 木のまな板や、ゴム系の樹脂のまな板がおすすめです。ガラスや陶器のまな板は硬く、刃先が早くすり減ります。
Q. 包丁はどれくらいの頻度で研げばいいですか?
A. メーカーによって、月に1〜2回から3〜6か月に1回までと目安に幅があります。回数で決めるより、トマトの皮に刃が入りにくくなったら研ぐのが確実です。
Q. ステンレスの包丁も錆びますか?
A. 錆びにくいですが、錆びないわけではありません。濡れたまま置いたり、塩分のついたまま放っておいたりすると錆びることがあります。
まとめ
【この記事のまとめ】
- 包丁を傷める原因は、錆びのもとになる水気と、刃先を傷める硬いもの
- 使ったらすぐ峰側から洗い、刃と柄の水気をしっかり拭き取る
- 食洗機と塩素系の漂白剤は避け、木やゴム系のまな板を使う
- 軽い錆びはクレンザーで、刃こぼれは砥石か研ぎ直しの依頼で直す
- 研いでも切れない、大きく欠けた、柄がぐらつくときが買い替えどき
- 捨てるときは刃を紙で包み、「危険」と書いて自治体のルールで出す
毎日のちょっとした手入れで、包丁は長く付き合える道具になります。洗ってすぐ拭く習慣から、今日から始めてみてください。
クーベルのフライパンが気になる方は、以下から詳細をご覧ください。
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